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【デッキガイド】アグロシャーマン マリガン・マッチアップガイド

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前置き

こんにちは、Jimonです。
これからアグロシャーマンについての解説をいくつかの記事に分けて書いていこうと考えています。今回はマリガンとマッチアップをメインに書いていきます。


私について

私は北米のマルチゲーミングチームMatchPointに所属しているハースストーンプレイヤーです。今年は冬季選手権大会突破、ブリズコン出場を目指して努力しています。

アグロシャーマンをスタンダード導入以前から使っており、最近では11月(SS32)南アメリカサーバーで上位50位フィニッシュ、そしてアグロシャーマンで12月(S33)にアジアサーバーで上位50位フィニッシュを果たしました。

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マリガン

マリガンについては下記のように表記していますのでその点に注意して読んでいただければ幸いです。

先行 先攻時にキープするカード
後攻 後攻時にキープするカード
先攻/後攻組み合わせキープ いずれかの時に2枚合わせてキープするカード

先行 高い重要度低い
左側のカードほどキープする重要度が高いです。


マッチアップ相性については私自身の過去2か月間でのアグロシャーマン2000戦前後の戦績とVicious Syndicateのデータリポートを元に作成しています。


シャーマン

マリガン
先行 翡翠の爪、トログ、バッカニーア、ゴーレム
後攻 翡翠の爪、ゴーレム、トログ、バッカニーア
後攻組み合わせキープ精霊の爪+ライトニングボルト


アグロシャーマン(五分 5:5)

ボードの取り合いが非常に大切なマッチアップです。中でも武器によるトレードが重要になってくるので翡翠の爪をマリガンで必ずキープしておきたいです。1マナミニオンがいない場合でも相手の《海賊パッチーズ》に倒されてしまう《南海の甲板員》はマリガンで残さずに武器、もしくは《ちんけなバッカニーア》といった序盤のボードの取り合いに強いカードを探します。
このマッチアップにおいて《精霊の爪》《ブラッドメイジサルノス》を合わせて、キープする人もいます。実際に3点ダメージの武器によるトレード自体は強いですが、3マナ使って盤面に残るのがスタッツが貧弱な1/1/1のミニオン1枚であり、ボードをすぐに取り返されてしまうことから、私はそのキープが強いとは考えていません。

ミッドレンジシャーマン(不利 4:6)

基本的にアグロシャーマンと同じ立ち回りです。長引けば長引くほどミニオンのバリュー差から不利になりやすいですが、アグロシャーマンと違ってボードは取りやすいのでフェイスを削りきることをを意識して立ち回ります。また、5ターン目以降は《ライトニングストーム》をケアしたミニオン展開を心掛けましょう。


ウォリアー

マリガン
先行 トログ、バッカニーア、翡翠の爪、ゴーレム
後攻 翡翠の爪、トログ、バッカ二ーア、ポータル、ゴーレム


海賊ウォーリアー(有利 6:4)

海賊ウォリアーに対しては序盤にヘルスを守りながらボードを取ること、中盤以降に一気に相手のヘルスを削りきることが求められます。また、相手が海賊ウォリアーであると分かっていて、1マナ2マナの動きを持っている場合には《野獣の精霊》をキープすることも考えてもいいでしょう。このマッチアップに限っては出来る限り、武器によるトレードはやめましょう。ヘルスを守りながらミニオン同士の有利トレードをすることで勝利に近づきます
また、ミニオンを展開すると同時に隙があればヒーローパワーを選択することを意識しましょう。挑発トーテムは相手攻撃を受け止めてくれます。そして、3種のトーテムが場にある状況では最後の1種のトーテムが確定で出るため、ヒーローパワーを選択することで自分のヘルスを守ることに繋がります。

ドラゴンウォーリアー(不利 4:6)

ドラゴンウォーリアーは《アレクストラーザの勇者》《コルクロンの精鋭》による有利トレードや《烈火の戦斧》による3点打点がアグロシャーマンにとって脅威です。そのため、スペルと武器によるトレードでボード取りつつ、《炎まとう無貌のもの》《マナの潮のトーテム》などでボード/ハンドアドバンテージで勝つ必要があります。


メイジ

マリガン
先行 トログ、バッカニーア、ゴーレム、翡翠の爪
後攻 トログ、バッカニーア、ゴーレム、翡翠の爪、炎の舌のトーテム
後攻組み合わせキープ 炎の舌のトーテム+南海の甲板員


レノメイジ(不利 3:7)

豊富な除去スペルと回復リソースから勝つことの難しいマッチアップです。しかし、ドローを進めるカードも多くないため、相手が《レノジャクソン》や《週末の預言者》《アイスブロック》といったようなキーカードを引けていない場合もあります。そのため、《アレクストラーザ》がプレイされる9ターン目までに削りきる立ち回りを意識しましょう。ミニオン同士のトレードは最小限に抑えて毎ターンのクロックダメージ量を維持することが大切です。


プリースト

マリガン
先行 バッカニーア、トログ、ゴーレム、翡翠の爪
後攻 バッカニーア、ゴーレム、翡翠の爪、トログ、炎の舌のトーテム
後攻組み合わせキープ 1マナミニオン+炎の舌のトーテム


ドラゴンプリースト(微不利 4.5:5.5)

ドラゴンプリーストは早い段階でボードを優位に進め、ヘルスを削りきることが必要なマッチアップです。ヘルスの高いミニオンが採用されていることが多く、また《密言・痛》《密言・死》といったカードでこちらの《トーテムゴーレム》《炎をまとう無貌のもの》を低コストで処理されてしまいます。そのため、序盤は横にミニオンを広げる展開に持ち込みたいです。5ターン目以降はホーリーノヴァ》《ドラゴンファイア・ポーションなどのAoEスペルを警戒する必要があるのでスペルを相手のミニオンに使いすぎないように配慮するべきです。

レノプリースト(不利 4:6)

ミニオンによるボードの取り合いはドラゴンプリーストに比べて弱めではありますが、《カザカス》ポーションによるボードの制圧や《チルモー》による3点オール、そして強力なヒールカードである《レノジャクソン》がいることもあり、基本的には不利なマッチアップです。しかし、状況にあったスペルカードが引けずにミニオンの処理に困ることもあるため、ある程度割り切った立ち回りをするべきです。


ウォーロック

マリガン
先行 バッカニーア、トログ、ゴーレム、翡翠の爪
後攻 バッカニーア、炎まとう無貌のもの、ゴーレム、トログ、翡翠の爪
後攻組み合わせキープ 炎の舌のトーテム+南海の甲板員

レノウォーロック(五分 5:5)

レノウォーロックは6ターン目までに至るまでのハンドの切り方が重要なマッチアップです。特に相手のマリガンする枚数が少ない場合は《レノジャクソン》や除去スペルが手札にあることを想定して立ち回るべきでしょう。レノウォーロックは5ターン以前に《炎をまとう無貌のもの》を処理することのできる手段が限られているので出来る限り、早い段階でプレイすることを意識しましょう。

このマッチアップはアグロシャーマンが不利に見られがちです。しかし、レノウォーロック側が除去スペルと《レノジャクソン》などのヒールカードの両方を持っていなければならず、ヒーローパワーによる手札補充もヘルスを削ってしまうため、一方的な有利とは言い難いです。もし《レノジャクソン》をプレイできたとしても、レノウォーロック側のハンドがなければそのままボードが取り返せずに勝つことができる場合もあるため、30点ヒールされたとしても諦めてコンシードを押すのはやめましょうサンプルリプレイ


ドルイド

マリガン
先行 バッカニーア、トログ、ゴーレム、翡翠の爪
後攻 ゴーレム、トログ、バッカニーア、炎まとう無貌のもの、翡翠の爪
後攻組み合わせキープ 1マナミニオン+炎の舌のトーテム


翡翠ドルイド(有利 6:4)

ドルイドに対しては相手の処理能力よりもアグロシャーマン側の盤面展開力の方が上回っているため、有利であると言えます。また、基本的に1枚しか採用されない《マルチ》といったカードでしか、《炎をまとう無貌のもの》を処理することができないので序盤でのボードアドバンテージを生かして、大型ミニオンをプレイ/アドバンテージを伸ばすことで相手のヘルスを削り切りましょう。ドルイドに対してはヘルス3以上のミニオンを横に並べられると処理することが難しいため、《トーテムゴーレム》《野獣の精霊》は積極的にプレイしましょう。

OTKドルイド(有利 6.5:3.5)

OTKドルイドは序盤に展開できるミニオンが少なく、後半でもコンボに使用するミニオンを展開することしかできないため、翡翠ドルイドに比べると有利なマッチアップであると言えます。しかし、《バーンズ》から出てくる《ガジェッツァンの競売人》《アヴィアナ》でアドバンテージを取られる可能性もあり、油断することのできないマッチアップです。ドルイド側のマナが10マナに達して《忘却王クン》をプレイされてしまう前に勝負を決めてしまうことが重要です。


ローグ

先行 バッカニーア、トログ、ゴーレム、翡翠の爪
後攻 バッカニーア、翡翠の爪、ゴーレム、トログ
後攻組み合わせキープ 1マナミニオン+炎の舌のトーテム


ミラクルローグ(有利 5.5:4.5)

ミラクルローグは相手のハンドに勝敗を依存しやすいマッチアップです。また、先攻か後攻かによっても相性差が変わってしまうでしょう。いずれにしても対戦が長引くほど、ローグ側が有利になってしまうので6~7ターン目までにはミニオンでヘルスを削り切り、最後は《溶岩爆発》翡翠の稲妻》といったダメージスペルでバーストを狙う立ち回りをしましょう。このマッチアップでは《炎まとう無貌のもの》をキープ/プレイするべきなのか難しいですが、《昏倒》で手札に戻された時のテンポロスが大きいため、出来る限りプレイしない方が賢明であると考えています。逆にハンドで他にプレイできるミニオンがいない場合にはいち早くプレイして、手札に戻された後にもう一度プレイする立ち回りをするべきです。

もし環境にミラクルローグが多い場合には《炎まとう無貌のもの》《ドゥームハンマー》に変更することを考えましょう。現在の環境下でミラクルローグは《酸性ウーズ》《ハリソンジョーンズ》など武器を破壊するミニオンを採用しづらいことから、武器によるクロックダメージは非常に優位に働きます


パラディン

先行 バッカニーア、トログ、ゴーレム、翡翠の爪
後攻 バッカニーア、トログ、ゴーレム、炎の舌のトーテム、翡翠の爪
後攻組み合わせキープ 炎の舌のトーテム+南海の甲板員

マーロックパラディン(有利 6:4)

一般的なマーロックパラディンに対してアグロシャーマンはボード展開力の観点、そして《平等》《聖別》といったコンボを食らう前にヘルスを削りきることができるため、有利であると言えます。しかし、《アルダーの平和の番人》《終末の預言者》は常に警戒して立ち回りましょう。


ハンター

先行 トログ、バッカニーア、翡翠の爪、ゴーレム
後攻 翡翠の爪、トログ、バッカニーア、ゴーレム

ミッドレンジハンター(?)

申し訳ございません。このマッチアップに関して、私の記録が正しければ、過去2か月間のレジェント帯において一度も対戦したことのないマッチアップです。そのため多くのことを語ることができません。しかし、ハンターは確定除去のスペルが少なく、かつAoEスペルもないためミニオンによる横の展開を押し付けることで勝つことができるでしょう。断末魔を持ったミニオンが多いことから、ミニオンのトレードに細心の注意を払うことができれば恐れる必要のないマッチアップです。


南海の甲板員+炎の舌のトーテムの組み合わせキープは、オーバーロード無しで2ターン目の終末の預言者を倒すことのできる組み合わせです。


ストラテジー


アグロシャーマンの戦略について簡単に書き残しておこうと思います。
アグロシャーマンは《トンネルトログ》翡翠の爪》、スタッツの優秀な《トーテムゴーレム》など序盤のボード制圧力に優れたデッキです。

しかし、アグロシャーマンの強みは序盤のボード制圧力だけにあるわけではありません。相手にボードを取り返さずにとどめを刺す《炎まとう無貌のもの》、武器によるクロックダメージを増やしリーサルを狙う《ドゥームハンマー》、息切れすることなくハンドを補充する《マナの潮のトーテム》といった序盤でボードを制圧したアドバンテージをさらに引き延ばすことのできるカードが存在することにあります。



ここでは私のリスト以外に3人のリストを載せておきます。いずれも興味深いものですので参考にしてみてください。

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William Barton (@NRGAmnesiac) | Twitter
ポセシ (@posesi8) | Twitter
chin_pira (@chin_pira) | Twitter



最後に

アグロシャーマンは誰でも使えば勝てるデッキだと言われることも多いですが、対戦数を重ねるほどマリガンやプレイングの差が顕著に表れるデッキです。
大会ではラダーではあまり当たらないデッキと対戦する機会が多くなるため、デッキの理解度をより高めることが大切だと思います。
環境が変化することによってマリガンや採用するカードも常に変化していきます。環境が変化した際でもそれぞれのカードの採用理由を理解した上で使うことでデッキに必要な要素がおのずと見えてくるのではないでしょうか

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